30代でジョブチェンジ

30代中盤、社会人経験約10年の男性です。転職をしてすぐに退職勧奨を受けて無職をしながらIT関連の学習をしていました。現在は業界で就労中です。

見てきた刃 ネタバレの刃

見てきました。感想として、あーおもしろかった今後が気になる!煉獄さーん!って言う感じなのですが、アラフォーとしてそれではあまりにも2時間をかけた意味がなさすぎるので、もう少しネタバレ含めて考えてみたいと思います。

僕を含む100%の人が映画を見終わって心の中で煉獄さーん!と叫んだはずです。うちの妻もそうなったらしいので、しっかり、100%ですね。ここで、疑問が湧きました。煉獄さんと自分ってそんな親しい間柄だっけ?

鬼滅歴

まず、はっきりさせておきましょう。鬼滅の刃を見始めたのは自粛が始まる少し前3月くらいでした。当時、おもしろいと妹から言われていたのがひっかかって見始めました。25.6分の中にこんなにも展開が詰め込まれているアニメは初めてでした。映像の迫力もハマらざるをえなかったポイントです。
自分はドラゴンボール世代なんですか、いまふりかえると、ドラゴンボールのアニメはにらみあって、気合を溜めて終わりとかの回も多かったような。
テレビとライバルにのるような娯楽がなかったのか、連載に追いついてはいけない定めなのか、無駄が多かった。ところが、鬼滅の刃は一話目に山がドーンと来て、一話目でいきなりその山を超えてしまう。昔のアニメだと一話の富岡さんのシーンで週またぎするでしょう。とんでもない速さだ。おれでないと見逃してしまうね。

もちろん煉獄さんとは初対面です。
なぜ、その初対面である煉獄氏に対して、こんなにも熱く煉獄さーん!となれるんでしょうか。馴れ馴れしすぎる。そこには煉獄さーんとさせる数々の仕掛けがあるはずです。

こじつけにはなりますが、振り返っておこうかなと思います。このあたりがポイントなのかなーと思います。

後輩からの目線

まず、観客は煉獄さんとの接触が極端に少ない。

・うまいうまい。
・鬼2匹を瞬殺して乗客を救う。(多分夢の中)
・寝る。
・夢の中で殺されそうになるが寝ながら危機を察知する。
・的確な指示と守備。
・炭治郎の救護

こんな感じでしょうか。アニメを見てきた人なら、煉獄さん以上にやっぱり炭治郎や、その他のキャラとの接触回数の方が多い。なのになぜ、煉獄さんにめちゃくちゃ喪失感を感じるのか。自分は炭治郎の目線がうまく煉獄さんという人となりの輪郭を作っていると感じました。つまり、炭治郎の説明にすごくなっとくしてしまっている。最初は変わった人、そして強い兄貴、さらに的確な指示と守備範囲。作中最強に性格が正しい炭治郎が感じている感覚があの世界では正となり、炭治郎がそういうならきっと、いい人なんだな。応援して間違いなさそうだ。と思わせる。また、はじめに少し変わった人だなという疑いの目線が入ったことも煉獄さんへの心情に説得力をもたせていると感じます。

噂レベルで感じていた凄さを体感する

そして後半いろいろあって、なんでこんなやつがここに!?ってほど場違いな衝撃を受けます。もちもの検査今日だっけ?とかあれ、提出期限きょうだっけ?うまく言えないですが、感覚的には今日は休みだって聞いていた部活の顧問の車が駐車場に停めてあるくらいの絶望感がありました。どうか、そのまま休め!
いまとなっては、ほぼ前座扱いの炭治郎らと下限の壱の戦闘が終わり、めでたしめでたしな雰囲気に水をさす。そうこれは鬼滅です。アニメで予習をしたはずです。起伏めちゃくちゃ詰め込んでくる。
そんな絶望感も、煉獄さんの戦いぶりで、いけるかも!という期待に変わります。そして、炭治郎の心情でしかしりえなかったり、夢の一部でしかなかった煉獄さんの動きを実際としてまじまじと目にする。炭治郎が描いた輪郭に実際がハッキリと色付けされていき、輪郭をもはみ出してくる感覚でしょうか。線はみ出るほど力強い。煉獄さん、あんた本当に期待以上や。ぼんやりとした煉獄さんがここに来てはっきりと姿を見せつけてくれます。「君とは仲良くなれそうにない」(うろ覚え)何度かいうこのセリフも、状況は徐々に悪化へ向かっていく変のにかかわらず、ひるみなさが感じられます。

それでも・・なんとも

終盤はツナの引き合いでどちらが引ききってもおかしくない状態でした。そんななか、亡くなるという結末しかしらなかった僕が、ネットサーフィンの馬鹿野郎。まず間違いなく、この映画は残念だけど刺し違えて終わるだろうと思いました。煉獄兄貴の凄さ的確さを持ってすれば、どうにかこの場にいる全員で頑張って、刺し違えるだろう。こんなまっすぐな人の思い通りにならないなんて世の中おかしいと思えてくるのです。初対面なのに。
さらに、動きの映像の凄さが息をついて考える暇をもたせないので、煉獄さーんという怒涛の感情が押し寄せてくることになる。煉獄さんのこと以外への集中力を全部そいでしまう迫力があります。
結末は映画を見てのとおりでした。期待と期待上の活躍と、取り逃す悔しさに涙する炭治郎にめちゃくちゃ響いてしまう。炭治郎によりリードされてきた感情なのに、炭治郎それ俺の言いたかったやつ。悔しいよなって震えてしまう。
そして、すべてが終わってしまったあと、自分のことは二の次で後進へのアドバイス。言える?こんなこと。見と実がともなっているからこそ、一番心情的には人間らしくない伊之助にもばっちり響いてしまう。

煉獄さんあんた使われすぎやで

2時間という中で、輪郭で期待させて、実際に凄さを見せつけて、それを噛ませとし上限の鬼の強さを引き立て、主役3人のさらなる成長への原動力とさせる。原作は見ていませんが、映画での煉獄さんの役割はすごく多かったように感じました。煉獄さんを300億円の男にするという気運があるのも頷けます。これを書いている時点で230億を超えているらしい。スッキリ痛快な勧善懲悪を見せてくれよと思う人には水戸黄門をおすすめしますが、アニメでしかなし得ない映像に、感情が支配されていくのを感じたい人にはおすすめです。